歴史を照らす石あかりの道
香川県高松市で、今年の夏も「むれ源平石あかりロード」が行われます。
香川県高松市の庵治牟礼地区は、日本が世界に誇る銘石「庵治石」の産地。八栗駅から北にのびる牟礼町の沿道は「石あかりロード」と呼ばれ、いくつもの石材の工場・工房が軒を連ねています。
この「石あかりロード」には、屋島の戦いの史跡も点在しています。牟礼町を象徴する「石材産業」と「源平史跡」。この2つを一緒にPRすることを目的に企画されたのが「むれ源平石あかりロード」なのです。
今年も8月3日から9月14日にかけて、石あかり作品が沿道に並ぶ「むれ源平石あかりロード」が開催されます。今年はどんな作品が登場するのかとても楽しみ。来場者の投票で決まる人気コンテンストも行われます。
上の写真は昨年のコンテストで2位になった作品。昼間見たときには「うーん、なんだかよくわからないオブジェだなぁ」といった感想でしたが、夜になってから再度見てみると。。。
「ナルホド!」と思わず膝をたたいてしまいました(実際には頭の中で笑)。チーズを食べているネズミに今にも襲い掛かろうとしているネコが!
そうなんです。光によってネコの影を作るというユニークなアイデアと、それを見事に造形した石工職人(島本健一郎さん)の技術に拍手です!
※公式サイトはこちらです。
周辺の観光スポットとしては、純愛の聖地庵治・観光交流館 もあります。
石好きにはやはりここ、イサムノグチ庭園美術館 は必見でしょう。
北斎の世界を石積みで表現
今年4月25日~6月16日の期間で開催された「信州花フェスタ2019」に行ってきました。メイン会場の信州スカイパークには「信州の庭」をテーマにした数多くの造園作品が展示されていましたが、その中のひとつに「石積みの可能性」と題した作品がありました。
葛飾北斎の代表作である『富嶽三十六景 神奈川沖浪裏』を題材にさまざまな石積み技法によって表現したこの作品は、長野県松本地区の松本石匠組合によるもの。新しい千円札の図柄に採用されることも決まった北斎の代表的な浮世絵を、松本城と同じ空積みによってダイナミックに表現しています。
高さ約2・3m、幅約4・5m、奥行き約2mの大作で、背景部分に湯ノ原間知石、黒っぽい荒波部分には地元産の山辺石、波しぶきの部分には英国産のドライストーンが用いられています。
裏に回ってみると・・・
裏側は、自然石の野面積みになっています。表側の、布積み、乱積み、打ち込み接ぎを用いた繊細さとは対照的に、野趣あふれる表現です。
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石材業界三団体が熊本被災墓地の復旧支援活動
熊本市内には市営墓地が7ヵ所ありますが、その中でも熊本地震の被害が最も大きかったのが小峯墓地。その小峯墓地で、7月25日から27日までの3日間、全国優良石材店の会、日本石材産業協会、全国石材施工協会の石材業界三団体合同による復旧支援活動が行なわれました。
初日は時折雨のふるあいにくの天候ながら、さすがプロのみなさん、手際よく通路の確保作業を進められていました。
作業後は、みなさんで記録撮影。
このレポートは、日本石材工業新聞2086号(7月25日号)にも掲載しています。