北斎の世界を石積みで表現

今年4月25日~6月16日の期間で開催された「信州花フェスタ2019」に行ってきました。メイン会場の信州スカイパークには「信州の庭」をテーマにした数多くの造園作品が展示されていましたが、その中のひとつに「石積みの可能性」と題した作品がありました。

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松本石匠組合による「石積みの可能性」

葛飾北斎の代表作である『富嶽三十六景 神奈川沖浪裏』を題材にさまざまな石積み技法によって表現したこの作品は、長野県松本地区の松本石匠組合によるもの。新しい千円札の図柄に採用されることも決まった北斎の代表的な浮世絵を、松本城と同じ空積みによってダイナミックに表現しています。

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高さ約2・3m、幅約4・5m、奥行き約2mの大作で、背景部分に湯ノ原間知石、黒っぽい荒波部分には地元産の山辺石、波しぶきの部分には英国産のドライストーンが用いられています。

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裏に回ってみると・・・

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裏側は、自然石の野面積みになっています。表側の、布積み、乱積み、打ち込み接ぎを用いた繊細さとは対照的に、野趣あふれる表現です。